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テーマ:日経ヴェリタスはバロンズになれるか?

20年ぶりの新しい新聞

日本経済新聞社が、日経金融新聞(略称KS)をやめて、代わりに、「日経ヴェリタス」という新聞を08年3月中旬から創刊します。

新聞となっていますが、週1回だけの発刊で、毎週日曜日に発売。72ページ。
タブロイド版(夕刊紙みたいな体裁)です。新聞として珍しい、すべて横書きでもあります。

(ちなみに、「サンケイEXPRESS」は、一般の新聞を読まない若いネット世代を狙って、横書き、コンパクトな情報量にしている)
87年のKS創刊以来、20年ぶりの新しい新聞になるので、会社として相当気合が入っているようです。

トライした日本版「バロンズ」

「日経ヴェリタス」は、アメリカの「バロンズ」という投資雑誌をモデルにしています。

「バロンズ」は、ウオールストリート・ジャーナル紙も発行する、ダウジョーンズ社の週刊専門紙です。現在31万部発行。21年創刊なので、87年の歴史があります。(日本でいえば、大正8年!)

部数はそれほどではないのですが、媒体特性として「市場が知る前のニュース」といわれ、将来予測に力を入れており、投資行動に影響力を持つ人たちが読む新聞として、高い評価を受けています。

数年前、金融リテラシー(基礎的な能力)の普及に関心を持って、アメリカに行き、アレコレ情報を収集したことがあります。(こんな「誰でも理解できるやさしい経済コンテンツ」を作成していた)
→ 

そのときに「バロンズ」をみつけ、「これは日本にないマネー誌だ」と直感しました。日本のマネー誌は歴史が浅いこともあり、金融機関の影響力が強すぎる、と感じていたからです。

日本人は投資について初心者もいいところで、金融の自由化によって、さまざまな商品が登場したものの、やっとこれから自分で勉強していこうという水準だったので、もっと読者の視点に近いメディアが必要だと思っていました。

帰国後、すぐに講談社に話を持ち込み、「一緒に創ろう」と働きかけ、ダウジョーンズ社とも、いろいろ協議した覚えがあります。

ちょうど、その出版社がビジネス分野に進出を模索していたからなのですが、結局雑誌ではなく、書籍を中心とする方針に決まり、私の案はお蔵入りになってしまいました・・・

バロンズに近づけるか

 「日経ヴィリタス」のHPを見ると、日経として意欲的に、新たな試みをしようとしているのがわかります。

スピードを重視した、ネットとの連携(紙を否定できないからね。。。)や、KSの後釜なので、ランキングや格付けは続けるようです。さらにカラー化など。

面白いのは、「記者紹介」。
いずれも金融畑の長い専門記者たちが執筆に当たるようですが、個人のプロフィールや意気込みを、スナップ写真とともに紹介しています。(知人のI記者のユーモアあふれるコメントは、おもわず笑いました)

「スター記者を作らない」方針の下、個人プレーを戒めてきた日経としては、画期的だと思います。私は、前回のメルマガで述べたように、「ファンのできる記者の育成」が必要だと考えるので、とても評価します。

ただ、KSの廃刊にもたついている間に、サブプライム問題が起き、創刊のタイミングとしては、最悪になってしまっています。KSの4万部を超えられるか(あくまで公称だったが)、最初のハードルがあります。

また、一般紙の記者から「日経は企業寄りすぎ」といわれるように、日経全体として、川上からの視点が多いことも要注意でしょう。

<投資家の新聞>を標榜するなら、しかも個人投資家を取り込みたいのなら、川下に重点を置いた内容が不可欠でしょう。
「日経マネー」はじめ、マネー誌との差別化もテーマです。

本家「バロンズ」に、質・量とも、どこまで近づけるか。
期待しつつウオッチしていきたいと思います。

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